イメージトレーニング

楽興の時をバックハウスの演奏とケンプの演奏で聞いてみたら、これがまた違う。ただし、以前ケンプとブレンデルを聞いたときよりも違いは少ない。ところで、例えば1番の演奏を聞いてすぐ分かるのは、バックハウスはリピートを省略していて、ケンプは丁寧にリピートしている。以前D960のソナタでも、ブレンデルはリピートを省略していたのに、ケンプは楽譜どおりリピートをしていた。きっと、ケンプは、楽譜に忠実に弾こうという姿勢のピアニストだったんだろうと思う。人に聞かせる場合には、単純なリピートなら省略した方がいいような気がするのも事実(同じフレーズを退屈させずに聴かせるのはとても難しいことだから)。そもそもシューベルトの楽譜って、不完全なものが多いらしいし、演奏家の考え方、個性を反映させられる余地が大きいということなのかもしれない。